昨日制作こぼれ話を書いたのですが、考えてみたら書き足りない事がありました
  それは劇中にヒラヒラと風に舞って落ちてくる桜の花びらの事です。

  この花びらは「雪かご」と言う竹で作られた専用のかごに小さく切った和紙を
  入れて舞台上のバトンに吊るし、舞台の袖からつなげられた紐を引き
  かごを揺らして使うんです。

  これは、舞台効果として雪が降ってるシーンで使うものなのですが
  文字通り雪ですから中に入れる和紙が白なんです。
  普通ならそれで良いのですが「知覧のホタル」では桜の花びらが
  ユラユラと舞って欲しかったんです。
  ちなみに桜の花びらと言っても、濃いピンクやまるで白に見えるような
  薄い色まで様々なので、照明さんがピンク系の色にしてくれれば
  揺れ落ちる雰囲気がそれらしく見えてくるんです。
   ( お客様も芝居の流れからさすがに雪とは思わないでしょうし
     「あ~桜の花びらが・・・」とか思って見てくれますからね。笑 )

           160127技の伝承雪籠カバー

  ところで、お客様は「あ~桜の花びらが・・・」と喜んで見て下さるんですが、
  ですが・・・なんです。
  この白い和紙の紙が・・・とにかく大変なんです。
  舞台上に舞ったこの和紙を掃除しようと思うと、ほうきで簡単にサッサッてな訳
  には行かず、舞台にしっかりくっついて離れないものや、小さくて軽いので
  あちこちに広がってるんです。
  結局終演後には舞台だけではなく、楽屋通路から客先の前列の方まで必死に雪掃除を
  しなきゃいけませんでした。
  これが案外大変で、ほうきや掃除機、最後は手作業での掃除・・・
  根気のいる作業なんです(笑)

  とここまでは、渋谷の伝承ホールでの事ですが、この「知覧のホタル」と言う芝居は
  地方でも公演していて、その公演先ではなんと雪かごに入れる紙をスタッフがせっせと
  準備したんです。
  普通は雪かごをお願いすると、中の和紙も一緒に持って来てくれるんですが(中の紙は
  一度作ると毎回必死に回収して使い回しが出来るので・・・たまに小さなゴミも一緒に
  入ってますが)、たまたま地方での公演で何とか雪かごは準備出来たのですが
  中の紙がどうも無いかもしれない・・・
  そこで、急遽中に入れる紙を手配しようと思ったら良さそうなものが無い!
    *もともと和紙を使ってるのは、厚手の普通紙では落ちるスピードも速く
     綺麗に揺れてくれないのでユラユラと落ちるには和紙が良いようです。
     ( もともと昔からの舞台演出の伝統手法ですからね )

  仕方なく、和紙をあきらめてダイソーに行ってラッピング用の薄いピンクの紙を購入
  リハーサルを終えて時間の出来たメンバーに集まってもらって必死に紙切りを・・・
  ちなみに、紙を切るといっても大きさや形によって落ちるスピードや落ち方が違うので
  案外その方が雰囲気があったりするので、極端に大きく切らなければ
  少々雑でも何とか・・・(笑)  

  と言う事で、お客様には綺麗な演出でも裏ではこんな作業があったんです。
  でも、これから舞台に降る雪を見て「あ~これは上に雪かごが吊ってあってね~」
  みたいな 興覚めするような会話をしながら芝居を見ないで下さいね(笑)

  あくまでも、こんな裏事情を知ってもその演出に感動出来るかが
  見る人の感性ですからね!
   ・・・それならここまで説明しなきゃよいものを・・・とは思いますが
  
         hotaru 
       このシーンの桜も雪かごの紙と同じものなんです。


                      ♪ かんりにん ♫