先日来制作こぼれ話を書いていますが、その制作側の話では(真木さん側の裏話は「映像鑑賞ライブ」にて)なかなか書ききれていませんでしたが、真木さんのステージと言えば舞踊団正藤のメンバーは不可欠と言う存在になっています。もちろん正藤チームは出演者側なのですが、リーダーの正藤竜之助さんは演出的センスを持ち合わせ、オープニング演出にも協力してもらっていますが、その舞踊団正藤の家元についても少しご紹介したいと思っていました。
 毎回突然に演出のご相談をして「いいわね~!」と言って、こちらが考えている以上に話を膨らませて下さるその家元は、本当に気さくで明るい方で最初にお会いした時から一緒に仕事をしてみたいと思わせるアイディアも秘めておられました。
 その最初の出会いの頃に幼い頃の話を聞かせて頂いたり、自叙伝となる本を頂いてる事もあってその笑えてしまう人生の序章と感動の再起を皆様にも・・・
 
 ただ、勝手に書いてしまう訳にも行きませんので直接ご連絡をして、ちゃんと了承を頂きました。

   「先生・・・すみません! 先生の事をブログに書きたいんですけど・・・
     先生から頂いた本を読何度か読んでるのでそのことで・・・」


 家元 「 あ~アイスキャンディーと猫を交換した事ね・・・いいわよ~」

   「 ありがとうございます! 
      ただ…先生・・・どうせなので少し面白おかしく書きたいんですけど・・・」


 家元 「いいわよ いいわよ~ 書いて書いて・・・」

    ・・・と言う事で家元の了承も頂き、間違いのない事実を書かせて頂きます。
       もちろん、これまでの感謝と共に心よりの親しみを持って・・・



   【 正 子 】

日本有数の港町 横浜 

多くの歌や物語ににも語られる お洒落でエキゾチックな街並みと伝統を求めて

今では多くの若者が行き交う横浜

そんな横浜も数十年を溯れば かつては漁師小屋が数件の 寂しい漁村でしかなかった。

そして、少し山手に離れれば竹林や畑、田んぼの脇を小川が流れる古き良き田舎

そんな日本的な風情を残した横浜の外れで 昭和二十四年 まだ夏の名残が野山を駆ける九月 

一人の女の子が生まれた。

それが後に・・・「あの・・・いや、この・・・え~~~と・・・その~~~~~」

ま~ 皆さまも良くご存知の「正子」の誕生でございました。

 

  (*ピンとこない方には、舞踊団正藤の・・・と言えば「あ~~~~」と納得して頂けるかとは思いますが、それでもお分かりにならない方は最後まで真剣に読んで頂ければお分かりになるかと・・・)

 

さて、その可愛らしく生まれた女の子・・・「多分・・・その時は・・・きっと・・・そうだったら良いな~」


ま~そんな 今では想像もつかないイメージは横に置いておきまして、生まれた生家はと申しますと

古くは名主の家柄で、後に港北区の歴史書に名前が残される程の名家「萩生田家」でございます。


 そんな名家に生まれた正子ではありますが、誰の血を引いたのか 女の子なのに少々やんちゃでございました。

それも小さいうちなら「少々」で済んだのでございますが、年を重ねるごと次第にを越えてまいります。

小学生ともなりますと、悪友の萩野千代ちゃんと言う子とタッグを組みまして、テレビアニメの「サザエさん」の一シーンかと思えるような悪戯までやらかしてしまうのでした。

 

ある夏の日 ひとしきり遊びまわった二人は 近所のアイスキャンディー屋さんに出かけ、父親からもらったお金でアイスキャンディーを買って一本づつ食べた・・・ただ、その一本ですまないのが正子

お金はないけど、もう一本食べたい! 

そこで何を思ったか欲望の眼差しでジ~~~~っとお店の中のアイスキャンディーを凝視。

それが正子だけならまだしも悪友と二人並んで四つの眼でジ~~~~~~~

流石にその怪しげな女の子二人の視線に気づいたお店のおばさんが、店を出て正子の前にやって来る!

しまった!よだれでも出てたかな・・・注意されるかな・・・逃げようかな・・・

でも「ごめんなさい! 見てただけです!」って謝ろうかな・・・

なんて事は正子は考えません!  

あ~おばさんが来た~~~ってな感じで ただアイスキャンディーの事しか頭にありません。

それを知ってか知らずか、お店のおばさんは突然にこんな事を言い出したのであります。

「最近店で飼ってた猫が死んで寂しいから、新しい猫を連れてきてくれたらキャンディーあげるよ!」って・・・

 いやいや 時代が時代でもこんなバカな話はないでしょ!とは思いますが、正子も変ならお店のおばさんもちょっとどうかしてる!

 とは言っても、こんなありがたい交換条件はないとばかりに、悪戯娘二人は近所で猫の物色をするのですが怪しい目つきの娘の殺気を感じてか、普段ならウロついてる猫が一匹も見当たりません。

 さて、そこで困った二人はアイスキャンディーを諦めれば良いものを、なんと悪友萩野千代ちゃんの隣のおばさんが飼っていた猫に狙いをつけ、うまいこと連れだして店に持って行ってしまった。

すると店のおばさんは喜んでアイスキャンディーをくれた・・・

ただ、喜んだのは店のおばさんと悪戯娘の二人で、連れて行かれた猫は寂しがってニャーニャー鳴くし

、猫を連れていかれた隣のおばさんは夜になって「猫が帰ってこないのよ!お宅の娘が猫を抱いて連れ出したけど・・・返してちょうだい!」と家に押しかけて来た。

さ~困ったのは正子。猫はあげちゃったし、キャンディーは食べちゃったし・・・と言うか・・・

そうなる事を予想しなかった正子は凄い!!!

ま~結局は家族に怒られて、何とか店に話をして猫は取り戻し「猫とアイスキャンディー交換事件」は一件落着・・・

ただ、この程度ですまないのが、当時の正子 ( ま~今でも少々暴走気味ではありますが・・・)

サザエさんのような事件から、今度はドリフのコントみたいな事までやらかした。

正子が新田小学校3年生の頃、父の仕事の関係で悪友の萩野千代ちゃんも一緒に熱海旅行に連れて行ってもらう事になった。

そこで、せっかくだからと旅行に行く前に床屋に行くようにと、父親はちょっとしたおやつ代と散髪代を持たせてくれた。

もちろん、小学生とは言え普通の女の子。髪を綺麗にしてもらえるのが嬉しくて二人で床屋さんへ・・・

ところが、その道すがらお菓子屋さんへ立ち寄ってしまった。

そこからがまた正子の本領発揮となる訳だが、おやつ代にもらったお金の分は使い果たし、あれも食べたい、これも食べたい・・・食べれば何かが飲みたくなってしまう。

結局二人の散髪代もおなかの中に消えてしまったのであります。

さ~困ったのが正子・・・ただ、困ってもただで終わらない正子は、二人で其々の散髪をすればお金はいらない・・・と名案を思い付く。

ま~これが名案だと思った時点でドリフターズのコントに近づいてる訳で・・・まずは正子が千代ちゃんの髪を切り始めたのは良いけど右を切れば左がそろわない、左をそろえれば右とは違う。おまけに前を切れば後ろも気になって鋏を入れる。

右や左に後ろも前も、切って刻んで収拾がつかない。

もうここまでくると何をどうして良いやらさっぱりわからず最後には頭の上に円形の禿までこしらえる始末。

とは言っても悲惨な千代ちゃんの髪型は正子には見えても本人にはわからない。

ただ、さすがに頭の上の丸い禿カットはあまりにも可哀そうで、責任を感じたのかはげた部分にご飯粒をのり代わりにして、切って落ちた髪の毛を貼り付けた。

もう ここまで来るとドリフのコントも佳境に入る訳で、頭にご飯粒で貼り付けた髪の毛は風は吹くとハラハラと飛んで行ったのであります。 

とにかく、正子 上出来です!  コントのセンスは抜群!

そんな河童頭にされた千代ちゃんと正子は父親に連れられ熱海旅行に出かけたのあります。

ただ、そんな河童を見て誰も何も言わないなんて事があろうはずもない訳で、会う人ごとに

「 どうしたんだ その頭は・・・」と言われてしまうのです。

そんな時一番困ったのは そんな河童と河童を仕上げた娘を連れて行った父親で、最後には「正子 お前はな・・・健康だけが取り柄だよ! 健康であれば良い。後は何も望まないから・・・」

何と超越した言葉でしょうか・・・

それは親として一番の本音でもあったのでしょうが、その言葉を心に刻んだ正子は

今に至るまで「健康でさえあれば何をやっても許されると思い込んで人生を歩んでいるのであります」

 

さて、そんな悪戯で有名だった正子ではございますが、

後の舞踊団正藤の基礎となる踊りは十歳の頃から始まっていたのであります。


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