今回もディナーショーでのこぼれ話
 前回は「紺屋高尾」でしたが、「夜叉」を発売した時にもホテル椿山荘で
 ディナーショーを開催しており、この時もオープニングで新曲を・・・と言う
 事で演出を考えていたのですが、新曲を出した時と言うのはだいたい公演で
 前半と終わりに新曲を二回歌う事が多いのですが、通常の新曲発表とは違い
 公演やディナーショーでは少し違った見せ方を考えてしまいます。

 そこでこの時のイメージは真木さんが「夜叉」をどう演じるかでした。
 それに伴い、夜叉を登場させる設定も考えなくてはいけなくて、そこで
 ステージに竹林を作り、その奥に夜叉が潜む。
 そして、真っ暗な中で怪しげな音が聞こえ、白装束の男たちが夜叉を迎える・・・
 と、ここまでのイメージは出来たとしても、実際にそれを具現化するのが大変です。
 予算をかけた劇場芝居ならともかく、ホテルのディナーショーでそこまでの芝居仕立て
 の事を・・・

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  でも、やってみたい!
  もともと真木さんも芝居仕立ては好きでしたし、とにかくオープニングでちゃんと
  見せる事が出来なければ・・・と、真木さん自身も舞台演出には拘りがある人ですから
  やるしかない!

  そこで、真木さんには般若のお面をつけて「夜叉」を踊ってもらい、白装束の男たちは
  舞踊団正藤にお願いする事に。

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 と、簡単に考えていたのですが、般若のお面をつけて小さな丸穴からの視界しかない
状態で踊るのがどれだけ大変か!それもただその場だけならまだしも、演出上お面を
つけたまま小走りで移動までしなくてはいけない演出。 
つまりここは真木さん次第の演出となってしまったんです。


 そして、白装束の男には夜叉を迎える儀式として、闇の中から和蝋燭をもって
登場してもらう事にしたのは良いけど、いざホテルとの打ち合わせで「消防法の関係で、
生の火を使うのは困るんですけど・・・」と、和蝋燭を使う事に問題発生!

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 ただ、ここで簡単に引き下がる訳にもゆかず、ホテルの担当の方に「すみませんが、
このホテルでは結婚式もやってるはずなんですが、キャンドルサービスはできないん
ですね!」とチクリ!
すると「いえ・・・それは、安全を考えてやってます!」との事。
 こうなると勝機あり! 大きな宴会場のでの結婚式で各テーブルを回ってキャンドルに
火をつけているなら、こちらでやろうとする事の方がまだ安全性が高いから・・・と詳細を説明。
ただ、ホテルとしては消防法の問題があるので管轄の消防署の許可を取って欲しいとの事。
 そこで、消防署の予防課へ出向き事情を説明・・・ただ普通にイベントをやるのに裸火の許可を出す事は出来ないとの事で、結婚式のキャンドルサービスなどは別として伝統芸能など火を使う事が前提となる催事につき、安全対策がなされた場合に・・・と言った諸々の条件が整えば許可するとの事。
 そこで、使用する火について、和蝋燭の種類、サイズ、使用目的、使用手順、安全管理について等を明確にして、当日のリハーサルで立ち合い検査に入ってもらう事で調整。
 それに伴い、使用する和蝋燭の大(朱と白)、暗闇から持って登場する為に手燭と燭台置きなどを準備・・・
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     ところが公演も間近になった頃、美術担当のM氏が
    「この前こんなのを買ったんですけど使えませんか?と

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        所謂、本当の蝋燭のように見えるキャンドル
        それも、大き目のしっかりしたやつ。

  おっと! 消防署まで行って話をしてるのに、今更・・・
  演出を考えたら本物の火の方が絶対に良いでしょ!・・・と言う声をよそに
  1回だけのシーンで火が消えたら演出も台無しになるから、消えない方が
  良いんじゃないですか?・・・とダメ押し。
  さらに、大きな会場で暗い中で見たら、揺れる炎の雰囲気があれば
  問題ないでしょ!と・・・

   結局消防署には事情を説明して査察を中止してもらう事に・・・
  ( 本当は大きな和蝋燭の独特な雰囲気を見て欲しかったんですけどね! )

 と言う事で紆余曲折ありながら、真木さんの努力に頼りながら演出の基本となる部分はある程度見えて来たものの、実はもう一つ演出上大きな不安も抱えていたんです。

 それは、ステージに竹林を作り、その竹林が開いて真木さん演じる夜叉が登場するのですが、その背景に夜叉をイメージする大きな般若を出したかったんです。

 そこで考えたのが、書き割り( かきわりとは歌舞伎の用語に由来する舞台芸術の用語で、背景などを布などに平面的に描いて設置される大道具の事。)の夜叉を作る事にしたのですが、実際にどうなるのか想像が出来ないスタッフからは不安の声が・・・

 もちろん、依頼した当人としてはイメージもちゃんとあって、どう使えば良いかも考えての事でもあり、光の当たり方で目が光るように見えるところまでの計算はしてあったんです。
ただ、実際にリハーサルで真木さん含め全員に見てもらうまでは、何を言われるかわからないので一抹の不安も(笑)

 ま~結局は視覚的インパクトはあったようで一安心だったんですが、この書き割りと言うものは本来舞台上で照明効果も手伝って存在意義があるものなのですが、この時は美術さんが難色を示すのを無理無理お願いして、終演後にロビーに展示したんです。

 普通はこのように舞台セットを明るい場所で見せる事はないのですが、この書き割りの前で真木さんがファンの皆さんと写真を撮れたら記念になるかと思い無茶な試みをしたんです。

 もちろん、終演後はこの般若の書き割りの前で写真撮影大会になってしまいましたので、記念としては良い背景になったと思います。

 ただ、皆さんあまりにも皆さん真木さんとの写真に夢中で、背景が何だかわからないのが残念でしたけど(笑)

  そして、もう一つおまけのこぼれ話
この時のディナーショーでは取材も入っていて、色々なところで新曲「夜叉」発売に合わせたディナーショーとして記事を書いて頂いています。

 その写真と言えば鮮やかな青の着物なんですが、実はこの着物は「夜叉」のジャケット写真の着物じゃないんです。
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 「夜叉」の本来の着物は赤・黒なんですが、このディナーショーの時には最初に演出をかけて本来の着物で歌うと、途中で別の衣装で歌った後に最後にもう一度ちゃんと聞いてもらう時に同じ着物に着替えなきゃいけないんです。

 ところが、真木さんとしては同じ着物を着なおして歌うのはどうかな~~~と。
そこで、事前の衣装決めの段階でたまたま出て来たのがこの青い着物。
そしてこの着物を見た瞬間 演出の闇夜や楽曲に会ってるんじゃないか・・・と言う事で急遽決まったんです。

ファンの皆様はそんな裏事情もご存じありませんから「あの着物良かったわ~~~」って事に!
そして、取材記事でもこの着物で般若の書き割りの前に立つ姿。
皆さんは「夜叉」の楽曲で思い出す着物はどっちでしょうか?
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  最後に・・・般若のお面をつけた真木さんは完璧にやり遂げました! 
  流石でした。

  DVDをお持ちの方は是非真木さんの夜叉の姿、舞踊団正藤の幻想的な登場を
  見直してみて下さい。


   <追記>
  明日はいつも真木さんのステージに華を添え、支えて下さってる舞踊団正藤の
  家元の事を書いてみようかと思ってます。
                        ♪ かんりにん ♫