ただ、気持ちは前向きに来年は何とか真木さんらしい舞台を・・・と
願っています。
そして、もちろん真木さんと言えば一人芝居の公演ですが、次はいったい
どんな作品をやるんでしょうか?
かなり期待!!!
そんな期待を持ちながら、過去の一人芝居公演の制作資料を見ていたら
結構色々と出て来ました。
シーン 1 【 オープニング 】
【 スクリーンに時代背景・場面設定を想像させる静止画フラッシュ 】
戦争当時の写真や芝居の設定となる桜・少女・戦闘機などの写真を静止画として投影。
BG/SEなどには戦闘機飛行音・狙撃音などを使用。
= ナレーション = 録音にて
昭和20年 桜の便りが届く頃 敗戦色濃い日本軍は、未来ある青年達に、
特攻と言う悲惨な命令を下し国の運命を託しました。
その若い命では、大きな使命を背負いきれないことも、大切にする家族や
愛する人さえ守る事が出来ない事もすべてわかって、
知覧を飛び立って行ったのです。
そしてその突撃前のほんの短い間、青年たちの身の回りの世話をしたのが、
地元の女学生達だったのです
これからお話しするのは、二度と帰らぬ人と永久の恋を紡ぎ、思い出の桜を
振って、愛する特攻兵を送り出した少女の生涯をかけての恋の物語りです。
・・・こうやって始まった舞台でしたが・・・
原案や脚本の制作に入る前に随分とテーマに対するメモ書きが残っています。
そこには作品では出てこなかったような文節がかなりありました。
( 実際は原案の半分ほどは使われず脚本が書かれてました。
そして、稽古が始まるとどんどんカットされたり変更されたり・・・)
普通はこんな打ち合わせ段階でのメモ書きを表に出す事はないのですが
改めて真木さんの作品を見て頂くきっかっけになればと・・・
*以下 複数のメモ書きを抜粋して
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その長い歳月の間、日本人だからこそ成し得る敗戦からの大きな成長を遂げ、
唯一の被爆国として戦争の愚かさと平和への願いを発信し続けていたはずです。
しかし、その日本の願いも虚しく世界のいたるところで永遠と悲惨な争いが
続けられているのが現実で、ともすれば平和を願い続けていた日本ですら
「抑止力」としての武力から戦争へという踏み入れてはいけない一歩を踏み
出そうとしています。
その様は「自国の領土と国民を守る」と言う大義で突き進んだ70年前に
戻ってしまったかの如く、世界中が病んでしまっているとしか思えないものです。
ただ、これまでの70年の間日本がその過ちを繰り返さないでこられたのは、
戦争だからこそ課されてしまった加害者としての立場と、その悲惨な実情を知る
被害者である戦争体験者がいたからなのかもしれません。
しかし、その悲惨な戦争を二度と繰り返えさないように我々を守ろうとして
くれた戦争体験者は高齢となり、その悲惨な真実を伝えてくれる語り部も次々と
先人の元へと旅立っています。
その語り部が苦悩の人生に幕を降ろそうとしてる今、報道で伝えられるのは
世界中の争いのニュースであり机上の平和を語る日本の現実。
2015年 政府やマスコミは大きく戦後70年を取り上げ、全国で戦争と
平和を願う催事が行われましたが、いったいどれだけの人がそのユースに耳を傾け
催事に足を運んだでしょうか。
そして、その中の何人が戦争の悲惨さを次の世代に伝え、平和を信じて守り抜いて
くれるのでしょうか?
我が子や愛する人が戦争に駆り出される事を想像しただけで胸が張り裂けそうな辛さ
その思いは70年を経た今でもまったく同じなのです。
長い年月を越えても変わらない人としての思い。
心の質の高い日本人だからこそ語り継ぎ、もっと考えなくてはいけない事もあります。
< 特攻と言う悲劇 >
1945年敗戦も色濃くなり軍は本土防衛の最後の切り札として飛行機の突撃により
敵が戦意を失い、本土攻撃をあきらめ、戦争を少しでも有利に戻せると考えた。
それが特攻です。
若者は1045人。その内知覧を最後の地として飛び立った若者は463人
知覧の富屋旅館では特攻の為に全国から集められた若者が、飛び立つまでの
数日間を過ごしました。
忘れないで下さい「知覧のホタルを」
すべてをわかって飛んで行ったんです。
あなたを守るために
ここを飛び立てば二度と戻ってくることが出来ない事も
自分の命を引き換えにしてもそれだけでは決して戦争に勝てない事も
すべてわかっていたんです。
でも、桜の綺麗な故郷、大切な日本 そして両親や愛する人を
もし守ることが出来るなら・・・
ほんの少しばかりの可能性であっても、今の僕に出来るのは
あなたを守るためにこの命を捧げる事しかないのですから
悲しまないで下さい。苦しまないでください。
僕は大切なあなたを守れると信じてこの知覧を飛び立つのです
あなたに頂いた命、そしてあなたの為に生きてこられた事を
誇りに思って飛び立ちます。
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ホタルが帰る場所「知覧」
夏の夜に幻想的な光景を見せてくれる蛍
でも、いつもホタルが帰ってくる場所があります。
今ではその地名さえ知らない人も増えた「知覧」
そこには、夏という季節だけではなく
忘れてはいけない悲しみと不幸を背負って
ホタルが帰ってきます。
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< もう一つの知覧 ~ 桜の少女たち ~ >
知覧のホタル ~桜の少女に送られて~
もう生きて戻ることのない若い兵士たちの最後の数日間
身の回りの世話をした少女たち
家族に最後の別れさえ告げる事の出来なかった若い兵士の思いを・・・
死に向かう人間の気持ちを受け止めた少女
最後の出撃には桜の枝を持って送った少女たちがいました。
日本の故郷には春の桜が似合います
それが日本人の心に似てるからでしょうか
満開のさくらの艶やかさ
ほんの短い桜花を過ごし
散り行く桜も美しい
ただ・・・
飛び立つ命が桜なら 笑んで散り行く桜を愛でますか
それが貴女の恋ならば 笑んで散り行く桜を愛でますか
それが貴女の息子なら 笑んで散り行く桜を愛でますか
でも・・・
送る私も桜なら 散り行く桜に寄り添える